豊田市で「腕や体のかゆみ」が辛い方、土日や祝日も診療を行っている豊田市瑞穂町、スカイホールから南へ300m

豊田市瑞穂町にある皮膚科・美容皮膚科・小児皮膚科・アレルギー科も併設、土日祝診療も行う「こはく皮フ科」院長の松井響子です。宣伝が長くなりました・・・

「夜になるとかゆくて眠れない」「かくと気持ちいいけど、あとでヒリヒリする」
そんな経験をしたことはありませんか?
かゆみは、誰にでも起こりうる身近な症状ですが、実は体の中で複雑な仕組みによって起こるものです。皮膚の病気が原因の場合もあれば、体の中の病気のサインであることもあります。
豊田市のこはく皮フ科では、患者さん一人ひとりの「かゆみの原因」をしっかり見極めて治療を行っています。本記事では、かゆみの仕組み・原因・治療法・日常でできる工夫を、長年、かゆみと付き合ってきた豊田市の「こはく皮フ科」の女性院長がわかりやすく解説します。


症状や悩みの概要

かゆみとは?
かゆみとは、皮膚に「かきたい!」という衝動を引き起こす感覚のことです。
痛みと同じように、体が「何か異常があるよ」と知らせてくれるサインのひとつで、人間にとってとても重要な感覚です。
たとえば、蚊に刺されたときに無意識にかいてしまうのは、体が異物や刺激を感知して、神経を通じて「かゆい」という信号を脳に送っているからです。これは皮膚を守るための反応ですが、かきすぎると逆に皮膚を傷つけてしまい、炎症や傷あと、感染の原因になることもあります。

かゆみの感じ方
かゆみの感じ方は人によってさまざまですが、共通して「がまんするのが難しい」という特徴があります。
• チクチク・ムズムズする
 蚊に刺されたときのように、皮膚の表面が落ち着かない感じになります。ほんの小さな刺激なのに、強く意識してしまうのが特徴です。
• 入浴後に強くなる
 お風呂に入ると血流が良くなり、体温が上がります。この温かさが神経を刺激して、かゆみが増すことがあります。「お風呂でさっぱりしたのに、逆にかゆくなった」という経験は多くの人にあります。
• 寝る前に強くなる
 夜になると副交感神経が働き、血管が広がって体がリラックスモードになります。血流が増えることで、かゆみが強まることが多いのです。そのため「かゆくて眠れない」という悩みが起こりやすくなります。
• 無意識にかいてしまう
 勉強中やテレビを見ているときなど、意識していないのに手が伸びてしまうことがあります。かいているときは気持ちよく感じても、その後に皮膚が赤くなったりヒリヒリしたりして後悔する、という悪循環に陥ることがあります。

かゆみが生活に与える影響
かゆみは単なる「不快な感覚」にとどまらず、日常生活に大きな影響を与えます。
• 夜眠れなくなる
• 勉強や仕事に集中できない
• 人前でかいてしまって恥ずかしい
• 皮膚をかき壊して見た目の悩みにつながる
このように「ちょっとした症状」と思われがちですが、生活の質(QOL)を大きく下げることもあります。

患者さんがよく感じる悩み

  1. 夜眠れない
    • かゆみが強くて寝つけない
    • 寝ても何度も目が覚める
    • 翌日、寝不足で頭がボーッとする
    • 成績や仕事のパフォーマンスが落ちる
  2. 学校や仕事に集中できない
    • 勉強中に無意識にかいてしまい、集中できない
    • テストや受験勉強の大事なときに妨げになる
    • 大人の場合、会議中や商談中に気が散ってしまう
  3. 人前でかいてしまい恥ずかしい
    • 授業中や職場でポリポリかくと「大丈夫?」と聞かれる
    • 周囲から「不潔なのでは?」と思われるのではと不安
    • 電車や公共の場でかいてしまい、周りの視線が気になる
  4. かき壊して皮膚が赤くなる
    • 爪で引っかくと赤く腫れ上がる
    • 血が出たり、かさぶたができたりする
    • 傷あとが残りやすくなり、長期的に悩みが続く
  5. 見た目のコンプレックス
    • 半袖やスカートを避ける
    • 温泉やプールで肌を見せるのが嫌になる
    • 「肌を見られるのが怖い」と人付き合いを避ける
  6. 子どもに多い悩み
    • 勉強や遊びに集中できない
    • 学校で友達に「かいてるね」とからかわれる
    • 就寝中にかいてしまい、親子ともに眠れない
  7. 大人ならではの悩み
    • ストレスでかゆみが悪化する
    • 接客業や営業職で「かかないように」と意識して余計につらくなる
    • 妊娠や更年期でホルモン変化によりかゆみが増す
  8. 季節ごとの悩み
    • 冬:乾燥で全身がかゆくなる
    • 夏:汗でかゆみが強まり、夜眠れない
    • 春・秋:花粉や衣替えで悪化
  9. 精神的な負担
    • 我慢してもかゆみが頭から離れない
    • 「かいたらダメ」と思うと余計かゆくなる
    • 気持ちが落ち込み、イライラする
  10. 感染や他人に迷惑をかける不安
    • かき壊したところからばい菌が入るのが怖い
    • 家族にうつるのでは?と心配する
    • 子どもが学校で注意されないか心配

原因とメカニズム
かゆみは、ひとつの原因だけで起こるわけではありません。いくつもの要因が組み合わさって、「皮膚がかゆい!」という信号が脳に届きます。最近の研究では、単に「ヒスタミン」だけでなく、インターロイキン(IL) や JAK(ヤヌスキナーゼ) といった分子も深くかかわっていることが分かってきました。

  1. ヒスタミンの働き
    • 蚊に刺されたときにかゆくなるのは「ヒスタミン」という物質が関わっています。
    • 皮膚の細胞(肥満細胞)からヒスタミンが出ると、神経を刺激して「かゆい!」と感じます。
    • 特に じんましん や 花粉皮膚炎 では、ヒスタミンが大きな役割を果たします。
    ただし、すべてのかゆみがヒスタミンだけで説明できるわけではありません。
  2. インターロイキン(IL)の関与
    • 最近の研究で注目されているのが インターロイキン という「免疫の伝達物質」です。
    • 特に IL-4, IL-13, IL-31 という分子は、アトピー性皮膚炎などの「強いかゆみ」に深く関係しています。
    • これらの分子は、皮膚の神経を直接刺激し、「かゆみの信号」を強めることが分かっています。
    • そのため、「抗ヒスタミン薬を飲んでも効かないかゆみ」は、このインターロイキンが関与しているケースが多いのです。
    「ヒスタミンが火花なら、インターロイキンはガソリンのようにかゆみを強くしてしまう」と考えると分かりやすいです。
  3. JAK(ヤヌスキナーゼ)の働き
    • インターロイキンの信号は「JAK」という分子を通じて細胞の中に伝わります。
    • JAKは「スイッチ係」のような存在で、かゆみを起こす信号をONにしてしまいます。
    • そのため、最近では JAK阻害薬(コレクチム軟膏や一部の飲み薬) という治療薬が登場し、かゆみを抑える新しい手段となっています。
  4. 皮膚バリアの低下
    • アトピー体質や乾燥肌の人は、皮膚の「バリア機能」が弱い状態です。
    • 皮膚を守る「レンガの壁」が壊れてしまったようなもので、外からホコリや汗、花粉が入りやすくなります。
    • すると炎症が起こり、インターロイキンやヒスタミンが活発に働き、かゆみが悪化します。
  5. 神経の過敏化
    • かき壊しや乾燥を繰り返すと、皮膚の神経が敏感になってしまいます。
    • 本来なら気にならない刺激(衣服の摩擦や少しの汗)でも「かゆい!」と感じるようになります。
    • これは「かゆみの悪循環」の原因となります。
  6. 体の病気が原因のことも
    • 肝臓・腎臓の病気、糖尿病、内分泌の異常 などでも全身のかゆみが出ることがあります。
    • この場合、皮膚だけでなく体の中の病気を治さないと、かゆみは改善しません。
    • 「皮膚の症状だけど、実は体のサイン」というケースもあるので、注意が必要です。

かゆみの悪循環とは?
かゆみのある皮膚病(アトピー性皮膚炎や湿疹など)でよく問題になるのが、この「かゆみの悪循環」です。

  1. かゆみを感じる
    最初は軽いチクチクやムズムズ程度でも、「かゆい」と感じるとどうしても手が伸びてしまいます。
  2. かいて皮膚を傷つける
    かくことで一時的に気持ちは落ち着きますが、実際には爪で皮膚を傷つけ、炎症や小さな傷ができます。
  3. さらに炎症が広がる
    傷ついた皮膚からは「炎症物質」や「かゆみを強める物質(ヒスタミン、インターロイキンなど)」が出ます。これが神経を刺激し、もっとかゆくなります。
  4. 神経が敏感になる
    くり返しかくことで皮膚の神経が過敏になり、本来なら気にならない刺激(衣服のこすれや少しの汗)でも「かゆい」と感じるようになります。
  5. 夜に悪化する
    かゆみは夜に強まりやすく、眠れずにまたかいてしまう → 皮膚がさらに傷つく → かゆみが増す、という流れを繰り返します。

かゆみを引き起こす病気

かゆみは“症状の名前”であって“病名”ではありません。
同じ「かゆい」でも、原因は人それぞれ。ここでは皮膚の病気/感染症/アレルギーに加えて、内科の病気まで、代表的なものについて、説明していきます。

1) 皮膚そのものが原因の「かゆみ」

アトピー性皮膚炎
• 何が起きているか
 アトピー性皮膚炎は、生まれつき皮膚を守る力(バリア機能)が弱いため、外からのホコリや花粉、汗などが入りやすい状態になっています。その結果、本来なら防げる刺激にも皮膚が過剰に反応し、炎症が長く続いてしまいます。そのため「かゆみが長引きやすい」という特徴があります。
• 見た目・出やすい部位
 赤くただれたり、ポツポツとしたブツブツが出たり、乾燥して白く粉をふいたりします。かき続けることで皮膚が硬くゴワゴワになることもあります。
 乳児では顔や頭、小児では肘や膝の内側、成人では顔・首・上半身に出やすく、年齢によって出やすい部位が変わることが特徴です。
• 悪化しやすい要因
 冬場の乾燥、運動や入浴後の汗、心身のストレス、花粉やダニ、ペットの毛などが悪化因子となります。また、ウールや化学繊維の衣類による摩擦でもかゆみが強まることがあります。
• かゆみの仕組み
 アトピー性皮膚炎では、ヒスタミンだけでなく IL-4、IL-13、IL-31 といった免疫の物質がかゆみに関わり、それらの信号が JAK という分子を通じて神経に伝わります。そのため、抗ヒスタミン薬だけでは不十分な場合があり、複数の治療を組み合わせることが大切です。

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)
• 何が起きているか
 皮膚から水分や油分が失われて乾燥し、肌に小さなヒビが入ったような状態になることで炎症が起こります。そのため、軽い刺激でもかゆみを感じやすくなります。
• 見た目の特徴
 すねや腰回りに粉をふいたような白いカサカサが出たり、線状のひび割れが生じたりします。ひどいと赤みやブツブツが混ざり、「乾燥」と「湿疹」が同時に見える状態になります。
• 季節性
 冬の乾燥した季節に悪化しやすく、暖房の使用も症状を強めます。高齢の方に多いですが、乾燥体質の子どもにもよく見られます。
• 対策
 最も大切なのは保湿です。入浴後にできるだけ早く塗ると効果的で、肌の水分を閉じ込められます。症状が悪化してかゆみや赤みが強い場合には、外用薬の併用が必要です。「かかないように我慢する」よりも、治療でかゆみを抑えることが大切です。

接触皮膚炎(かぶれ)
• 原因
 金属(アクセサリーのニッケル)、化粧品、香料、洗剤、植物(ウルシなど)、ゴム手袋などが肌に触れることで炎症を起こします。「アレルギー反応」と「刺激による反応」の2種類があります。
• 見た目
 赤みが出てかゆみを伴い、小さな水ぶくれやジュクジュクすることもあります。触ったりかいたりすることで広がる場合があります。
• 見分けるヒント
 アクセサリーをつけた部分の形に沿って赤くなる、マスクのゴムの部分だけ赤くなる、洗剤を使う手の部分だけ赤くなるなど、境界がはっきりしているのが特徴です。
• 治療
 まず原因となる物質を避けることが第一歩です。そのうえで外用薬を使って炎症を落ち着かせます。症状が続く場合には「パッチテスト」で原因を特定することもあります。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
• 何が起きているか
 皮脂の分泌が多い部分(頭皮や顔のTゾーンなど)で、皮脂をエサにするマラセチアという常在菌が増え、炎症を引き起こします。皮脂そのものが悪いのではなく、皮脂のバランスが崩れたり菌が増えたりすることで症状が出やすくなります。
• 見た目・出やすい部位
 赤みやうろこのようなフケ、かさつきが見られます。頭皮、額、眉、鼻のわき、耳のまわりなどに多く出ます。ひどいとジュクジュクしたり、強いかゆみが出たりすることもあります。
• 悪化要因
 ストレスや寝不足で皮脂分泌が乱れると悪化します。季節の変わり目や、冬の乾燥した時期にも出やすいです。また、不規則な生活や食生活も関係します。
• 治療の基本
 抗真菌薬の外用薬でマラセチアを抑えることが基本です。必要に応じてステロイド外用薬を短期間使用します。シャンプーや洗顔などのスキンケアも大切です。

貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)
• 何が起きているか
 丸い形をした湿疹が体や四肢に出るタイプです。皮膚の乾燥やアレルギー体質が関与するとされ、特に中高年の男性に多くみられます。
• 見た目・出やすい部位
 コインのように丸い赤い湿疹が出て、かゆみが強いのが特徴です。腕や脚、体幹に多く見られ、数が増えることもあります。かいたり放置したりすると、ジュクジュクしたり、かさぶたになったりします。
• 悪化要因
 冬の乾燥や、かゆみでかいてしまうことが大きな悪化因子です。皮膚が乾燥している方や、アトピー体質の方に多く見られます。
• 治療の基本
 ステロイド外用薬と保湿が中心です。かゆみを抑えるために抗ヒスタミン薬を併用することもあります。再発を繰り返すことが多いため、長期的なスキンケアが重要です。

手湿疹(てしっしん)
• 何が起きているか
 「主婦湿疹」とも呼ばれることがあり、家事や仕事で水や洗剤を使うことが多い方に起こります。皮膚が乾燥し、刺激に弱くなって炎症を起こすものです。
• 見た目・出やすい部位
 指先や手のひらに赤みやかさつき、ひび割れが生じます。進行すると皮膚が硬くなり、あかぎれのように割れて痛むこともあります。水ぶくれが出るタイプもあります。
• 悪化要因
 洗剤やシャンプーなどの化学物質による刺激、アルコール消毒の繰り返し、冬場の乾燥などで悪化します。仕事で手を頻繁に洗う方や、手湿疹の家族歴がある方は特に注意が必要です。
• 治療の基本
 まず刺激を避けることが第一です。手袋を使用し、水や洗剤から皮膚を守ります。そのうえで外用薬を用いて炎症を抑え、保湿剤で皮膚のバリアを回復させます。重症例では内服薬を使う場合もあります。

乾癬(かんせん)
• 特徴
 乾癬は、皮膚が赤く盛り上がり、その表面に「銀白色(ぎんぱくしょく)」に見える白いフケのような皮が重なって付着する病気です。かゆみはある方とない方がいて、個人差があります。爪や頭皮に出ることも多く、見た目のインパクトが強いため、人前で肌を出すことに抵抗を感じる患者さんも少なくありません。
• 注意点
 見た目が湿疹やかぶれに似ているため、「ただの湿疹だろう」と自己判断して市販薬を使ってしまうと、かえって悪化してしまうことがあります。乾癬は免疫や遺伝的な要因が深く関わる病気であり、適切な診断と治療が必要です。必ず皮膚科を受診することが大切です。
• 治療
 治療には外用薬(ステロイド外用薬やビタミンD3製剤)、光線療法(エキシマレーザーXTRAC Momentumなど)、などがあります。症状の範囲や強さ、ライフスタイルに合わせて組み合わせを考え、専門的に治療していきます。早めに治療を始めることで、日常生活の支障を少なくすることができます。

あせも(汗疹・かんしん)
• 原因
 あせもは、汗の出口が詰まることで起こります。本来、汗は皮膚の表面にスムーズに出て蒸発しますが、出口がふさがれると皮膚の中にたまり、小さな赤いブツブツや水ぶくれができます。夏場やスポーツで汗をたくさんかくと発症しやすいです。乳幼児から大人まで幅広い年代で見られます。
• 出やすい部位
 首のまわり、背中、胸、肘の内側、膝の裏側など、汗がたまりやすい部位に多く出ます。特に乳児は首や背中に出やすく、大人では運動時に汗をかく部位に生じやすい傾向があります。
• 対策
 まずは汗をためないことが大切です。汗をかいたら早めにシャワーや濡れタオルで洗い流し、皮膚を清潔に保ちます。通気性の良い衣類を選び、エアコンや扇風機を活用して体を涼しく保つのも有効です。かゆみが強い場合や炎症が出ている場合には、皮膚科で外用薬(ステロイド外用薬など)を処方してもらうと早く治ります。

2) 感染が原因の「かゆみ」
水虫(白癬)
• 原因
 カビの仲間である白癬菌が皮膚に感染して起こります。名前に「虫」と入っていますが、本当に虫がいるわけではありません。
• 症状
 足では指の間がふやけたり、足の裏が粉をふいたようになったり、小さな水ぶくれが出たりします。かゆみは強い場合とそうでない場合があり、人によって差があります。
• 広がり方
 長く放置すると爪の中に菌が入り込み「爪水虫」となります。爪水虫は特に治りにくく、半年〜1年以上かかる治療が必要になることもあります。
• 診断と注意点
 皮膚科では顕微鏡検査で菌の有無を確認します。自己判断で市販薬を塗り続けると、菌が弱って見つけにくくなるうえ、症状がこじれて治療が長引くことがあります。

カンジダ皮膚炎
• 起こりやすい部位
 わきの下、足の指の間、股、女性ではおむつの当たる部位など「蒸れて湿気がこもる場所」に発症しやすいです。
• 見た目の特徴
 赤くてしっとりしており、まわりに小さなブツブツ(水ぶくれ)が散らばるように出ることがあります。かゆみやヒリヒリ感を伴うことも多いです。
• 治療
 抗真菌薬(カビを退治する薬)の塗り薬で治療します。さらに、通気性を良くしたり乾燥させたりする工夫も大切です。汗をかきやすい方や免疫が落ちている方は繰り返しやすいため、予防の工夫も欠かせません。

けじらみ症
• 原因と感染経路
 けじらみは、毛に寄生するシラミの一種です。陰毛に多いですが、まつげや体毛にも寄生することがあります。主に性的接触でうつりますが、寝具やタオルの共用で広がることもあります。
• 症状
 強いかゆみが特徴で、特に夜間にかゆみが悪化します。掻き壊すと赤いブツブツや傷になることもあります。
• 対策
 専用の治療薬で駆除する必要があります。保育園や家庭内では、家族全員で対策を行い、寝具や衣類も一緒に洗濯・処理することが大切です。

疥癬(かいせん)
• 原因
 ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の角質の中に潜り込み、卵を産んで増えることで起こります。肉眼では見えないほど小さいため、顕微鏡での検査が必要です。
• 症状
 手首や指の間、陰部などに強いかゆみが出ます。特に夜間にかゆみが強くなるのが特徴です。小さな線状の皮疹(疥癬トンネル)が見えることもあります。
• 治療と注意点
 ストロメクトールという飲み薬を飲んだり、スミスリンローションという塗り薬を使います。家族や同居者にも感染するため、寝具や衣類を洗ったり、同時に治療を行ったりすることが大切です。放置すると集団感染につながるため、必ず皮膚科を受診しましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)
• どんな病気か
 「とびひ」は子どもに多く見られる皮膚の感染症です。虫刺されや湿疹などをかき壊したところに細菌(主に黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌)が入り込み、赤いブツブツや水ぶくれができて広がっていきます。
• 症状の特徴
 かゆみを伴うことが多く、かき壊すと中の液が出て、さらに周囲に菌がうつって新しい発疹ができます。このため「火事の火が飛ぶように広がる」ことから「とびひ」と呼ばれています。しみるような痛みを感じることもあります。
• 注意点
 かゆいからといってかいてしまうとどんどん広がってしまうため、早めの受診が大切です。プールや集団生活でうつることがあるため、学校や園で制限が必要になる場合もあります。
• 治療
 抗菌薬の塗り薬や飲み薬で治療します。患部は清潔に保ち、爪を短く切ってかき壊しを防ぐことも重要です。

とびひ(伝染性膿痂疹)
• どんな病気か
 「とびひ」は子どもに多く見られる皮膚の感染症です。虫刺されや湿疹などをかき壊したところに細菌(主に黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌)が入り込み、赤いブツブツや水ぶくれができて広がっていきます。
• 症状の特徴
 かゆみを伴うことが多く、かき壊すと中の液が出て、さらに周囲に菌がうつって新しい発疹ができます。このため「火事の火が飛ぶように広がる」ことから「とびひ」と呼ばれています。しみるような痛みを感じることもあります。
• 注意点
 かゆいからといってかいてしまうとどんどん広がってしまうため、早めの受診が大切です。
• 治療
 抗菌薬の塗り薬や飲み薬で治療します。患部は清潔に保ち、爪を短く切ってかき壊しを防ぐことも重要です。

3) アレルギー・体質が原因の「かゆみ」

じんましん(蕁麻疹)
• 特徴
 じんましんは、皮膚に突然「ミミズ腫れ」のような赤いふくらみが出る病気です。かゆみを伴うことが多く、数時間から1日以内に跡を残さず消えるのが大きな特徴です。出たり消えたりを繰り返すため、患者さんは「一体何が原因なんだろう」と不安になることがよくあります。
• 誘因(きっかけ)
 じんましんの原因は多様で、はっきりしないことも少なくありません。
 よく見られるものには以下があります。
 - 食べ物(エビ・カニ・卵・小麦などアレルギーを起こしやすい食品)
 - 薬(抗菌薬、解熱鎮痛薬など)
 - 感染後(風邪のあとや胃腸炎のあとに出ることも)
 - 物理的な刺激(冷たいもの・暑さ・圧迫・日光など)
 - 運動や発汗
 - ストレスや疲労
 特に子どもでは感染や食べ物、大人では薬やストレスがきっかけになることが多いです。
• 治療
 治療の基本は抗ヒスタミン薬です。ヒスタミンという物質がかゆみや赤みの原因になっているため、それを抑える薬で症状を和らげます。眠気が出にくいタイプの薬もあり、学業や仕事に支障が出ないよう調整が可能です。
 慢性的に続く「慢性蕁麻疹」では、抗ヒスタミン薬を継続的に使うほか、症状が強い場合は追加の治療を検討することもあります。
• 注意点
 強い呼吸苦、のどの腫れ、全身に急激に広がるじんましんは「アナフィラキシー」と呼ばれる危険な状態のサインで、救急対応が必要です。通常のじんましんと区別し、万が一の時はすぐに受診することが大切です。

4) 内科の病気が背景にある「かゆみ」
皮膚に目立った発疹がほとんどないのに全身がかゆいときは、体の中の病気が隠れていることがあります。

肝臓・胆道の病気(胆汁うっ滞に伴うかゆみ)
• 仕組み
 本来、肝臓でつくられた「胆汁(たんじゅう)」は消化を助けるために腸へ流れていきます。ところが肝臓や胆道の病気で流れが悪くなると、胆汁に含まれる成分(胆汁酸など)が血液中にたまり、皮膚の神経を刺激して強いかゆみを起こします。
• 症状の出方
 手のひらや足の裏のかゆみから始まり、全身に広がることもあります。かゆみは夜に強まることが多く、眠れなくなるほど強いケースもあります。湿疹や発疹がなくても「かゆい」というのが特徴です。
• 関連する病気の例
 - ウイルス性肝炎(B型・C型など)
 - 胆道閉塞(胆石や腫瘍で胆汁の通り道がふさがれる状態)
 - 原発性胆汁性胆管炎(PBC)などの自己免疫性の病気

  • 一緒に出るサイン
     - 体のだるさ
     - 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
     - 尿が濃い色になる
     こうした症状がかゆみと同時に見られるときは、皮膚の病気ではなく内科系の病気のサインである可能性が高いため、早めに内科を受診する必要があります。

腎不全(透析関連そう痒を含む)
• 仕組み
 腎臓の働きが弱ると、体に老廃物や炎症を引き起こす物質がたまりやすくなります。それが血液中をめぐり、皮膚の神経を刺激してかゆみが起こると考えられています。さらに、腎不全では皮膚が乾燥しやすく、それもかゆみを悪化させます。
• 症状の出方
 左右対称に、背中・腕・足など広い範囲にかゆみが出ることが多いです。湿疹や赤みが目立たないのに強いかゆみが続くのが特徴です。透析をしている方では「透析関連そう痒」と呼ばれ、長年悩まされる方も少なくありません。
• 対応の方法
 - 原疾患のコントロール:腎臓内科での治療や透析の調整が基本となります。
 - スキンケア:乾燥がかゆみを悪化させるため、保湿剤を丁寧に使うことが大切です。
 - 薬の工夫:抗ヒスタミン薬のほか、場合によってはかゆみの神経伝達を抑える特殊なレミッチという薬(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)が処方されることもあります。
 - 生活面:入浴の温度をぬるめにしたり、衣服を刺激の少ない素材に変えたりといった工夫も有効です。

甲状腺の病気(亢進症・低下症によるかゆみ)
• 仕組み
 甲状腺ホルモンは体の代謝をコントロールする大切なホルモンです。多すぎても少なすぎても、皮膚の状態やかゆみに影響します。
• 亢進症(甲状腺ホルモンが多すぎるとき)
 体の代謝が速くなり、汗をかきやすく、ほてりやすくなります。汗や体温上昇は皮膚を刺激するため、かゆみが出やすくなります。湿疹やあせもが悪化することもあります。
• 低下症(甲状腺ホルモンが少なすぎるとき)
 代謝が落ちて皮膚が乾燥しやすくなり、その結果かゆみが強まります。粉をふいたような乾燥やひび割れが目立つこともあります。
• 一緒に出やすいサイン
 - 動悸がする/脈が速い(亢進症)
 - 急な体重減少(亢進症)
 - 疲れやすい/寒がり(低下症)
 - 顔や手足のむくみ(低下症)
 こうした全身症状とかゆみが一緒に見られるときは、皮膚の薬だけでは良くならないため、内科の受診が必要です。

糖尿病によるかゆみ
• 仕組み
 糖尿病になると、血糖値が高い状態が続きます。すると皮膚の水分保持力が低下して乾燥しやすくなります。また、血流が悪くなって皮膚に栄養が届きにくくなることも、かゆみを悪化させます。さらに免疫が弱まることで、カンジダなどの真菌感染を合併しやすく、それもかゆみの原因になります。
• よく見られる部位
 - すねやひざ下(乾燥によるかゆみ)
 - 足の裏や足指(血流低下や感染)
 - 会陰部(カンジダ感染によるかゆみ)
• 注意点
 糖尿病では「かゆみが皮膚の病気そのものではなく、血糖コントロール不良のサイン」であることがあります。皮膚の治療だけでなく、血糖値を安定させることがとても大切です。
• 対応
 - 血糖コントロールをきちんと行う(内科での治療が基本)
 - 保湿剤で乾燥を防ぐ
 - 感染が合併している場合は抗真菌薬などの適切な治療を追加
 - 足のケア(爪・角質・靴の管理)も重要

6) 心の関与

心因性・心身症としてのかゆみ
• 仕組み
 心の状態が体に影響することがあります。強いストレス、不安、うつ状態などで自律神経のバランスが乱れると、かゆみの感じ方が強くなることがあります。実際に炎症が少なくても「かゆい!」と感じやすくなるのです。
• 特徴
 - 夜や一人でいるときに強く出やすい
 - 皮膚の症状が軽くても、かゆみのつらさが強い
 - ストレスや生活の変化で悪化・改善を繰り返す
• よくある誤解
 「かかないように我慢してください」と言われても、無理に我慢するとかえってストレスが強まり、余計にかゆみが悪化することがあります。
• 対応のポイント
 - 皮膚の炎症を鎮める治療をきちんと行う
 - 睡眠のリズムを整える
• 適度な運動や趣味で気分転換する
• 必要に応じて心身症・精神科領域のサポートも受ける


こはく皮フ科でのかゆみ治療

  1. 外用薬(塗り薬)
    かゆみの治療の第一歩は、皮膚の炎症や乾燥を整えることです。外用薬には以下の種類があります。

• ステロイド外用薬
 炎症をすばやく抑える基本薬です。部位や症状の強さによって「弱いものから強いもの」まで使い分けます。
 → 例:顔や首には弱め、手足や体幹には強め、というように調整します。

• 非ステロイド外用薬(適応はアトピー性皮膚炎、一部に乾癬)
 長期的に使いやすい薬です。
 - プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏):免疫を調整して炎症を抑える
 - コレクチム軟膏(デルゴシチニブ軟膏):JAK阻害で炎症をブロック
 - モイゼルト軟膏:PDE4阻害で炎症物質を減らす
 - ブイタマークリーム:AhRに作用し、炎症を抑えながら皮膚バリアも改善
 敏感な部位や、ステロイドを長く使いにくい方に適しています。

• 保湿剤
 乾燥を防ぎ、皮膚のバリアを回復させることで、かゆみが出にくい状態をつくります。
 → ヒルドイド(ヘパリン類似物質)、ワセリンなど。

  1. 内服薬(飲み薬)

外用薬だけで不十分なときや、全身のかゆみが強いときには飲み薬を使います。

• 抗ヒスタミン薬
 アレルギーや炎症で出てくる「ヒスタミン」という物質をブロックし、かゆみを抑えます。
 - ビラノア:眠気がほとんどなく、日中も使いやすい
 - ザイザル:比較的しっかり効き、眠気は人によって出る
 - アレロック:効果が強いが、眠気に注意が必要

• 抗ヒスタミン薬以外の内服薬
 -レミッチ(ナルフラフィン塩酸塩)
 もともとは腎臓病や肝臓病での強いかゆみ治療に使われてきた薬です。
 脳内の「オピオイド受容体」に働きかけ、かゆみを感じる神経のスイッチを下げることで効果を発揮します。
 → 慢性肝疾患や透析に起こる、抗ヒスタミン薬で改善しない全身性の頑固なかゆみに対して使用されることがあります。

  1. 光線療法(XTRAC Momentum)
    • 豊田市で初めて導入されたXTRAC Momentum
     豊田市の こはく皮フ科では「XTRAC Momentum(エキシマレーザー)」という光線療法機器を取り入れています。豊田市内では初めて導入されるもので、これまで遠方まで通わないと受けられなかった治療を、地元で受けられるようになりました。
    • 治療の仕組み:308nmの紫外線をピンポイント照射
     XTRAC Momentumは「308ナノメートル」という特定の波長の紫外線を使用します。紫外線といっても、免疫の異常な働きを鎮めるためにコントロールされた光です。しかも、照射するのは「症状が出ている部分だけ」。周囲の健康な皮膚を守りながら治療できるのが特徴です。
    • どんな症状に使える?
     一部の湿疹や、長く続いてなかなか治らない皮膚炎の局所に有効な場合があります(アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、円形脱毛症に適応があります)。特に「かゆみが強い部分」「薬を塗ってもなかなか治らない部分」に、ピンポイントで照射することで改善が期待できます。
    • 治療の流れと回数
     1回あたり数分で終わる短時間の施術です。週に1~2回、数か月ほど継続することで徐々に症状の改善が見込めます。個人差はありますが、「かゆみが和らいできた」「赤みが減った」と実感される患者さんも少なくありません。
    • 安全性について
目次

 光を当てる治療と聞くと「副作用が心配」と思われる方もいますが、XTRAC Momentumは患部だけに光を当てるため、全身への影響はほとんどありません。施術後に軽い赤みが出ることはありますが、多くは数日でおさまります。

自宅でできる予防とケア
皮膚のかゆみや湿疹は、日々の生活習慣を少し工夫するだけでも大きく改善が期待できます。治療と並行してセルフケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、再発を減らすことができます。

  1. 保湿を徹底する
    • なぜ大切?
     乾燥した肌はバリア機能が弱まり、外からの刺激に敏感になってかゆみが出やすくなります。
    • やり方のコツ
     入浴やシャワーのあと、すぐに保湿剤をしっかり塗ることがポイントです。肌に残った水分を閉じ込めるイメージで、手のひらで優しく押さえるように広げましょう。
    • おすすめの種類
     軟膏、クリーム、ローションなど、その日の肌の状態に合わせて使い分けます。乾燥が強い冬はクリームや軟膏タイプ、夏やさっぱりしたいときはローションがおすすめです。
  2. 衣類の工夫で刺激を減らす
    • 肌に優しい素材を選ぶ
     綿素材の柔らかい衣類は刺激が少なく安心です。逆にウールやポリエステルなど化学繊維はチクチクしやすく、かゆみを悪化させることがあります。
    • サイズ感も大事
     きつすぎる服は摩擦や汗のこもりの原因になります。ゆったりした服を選ぶと刺激を防げます。
  3. お風呂の入り方を工夫する
    • お湯の温度
     熱すぎるお湯(42℃以上)は皮膚の油分を奪い、乾燥を悪化させます。ぬるめ(38〜40℃)のお湯で入浴するのがおすすめです。
    • 洗い方
     ナイロンタオルなどでゴシゴシこすると皮膚が傷つきます。泡立てた石けんを手で優しくなでる程度で十分です。傷があるところは、石けんを使わず、お湯で流すだけでも、十分に汚れは取れます。
    • 石けん選び
     刺激の少ない低刺激性の石けんを使用してください。しみる場合は、石けんを使わずお湯だけで洗っても大丈夫です。
  4. 汗のケアを忘れない
    • 汗が刺激に
     汗そのものは悪いものではありませんが、皮膚に長時間残ると痒みの原因になります。
    • 対策の工夫
     - 汗をかいたらハンカチやタオルで軽く押さえて拭く
     - 運動後はシャワーを浴びて着替える
     - 通気性の良い靴や靴下を選ぶ
  5. ストレスとうまく付き合う
    • かゆみと心の関係
     「かかないように我慢する」のは想像以上に辛いものです。無理に我慢するとストレスで逆にかゆみが悪化してしまうことがあります。
    • 工夫の仕方
     冷たいタオルで軽く冷やす、手のひらで押さえるなど「皮膚を傷つけない方法」で対応するのが良いでしょう。
    • 生活習慣も大切
     規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、軽い運動などで体調を整えることが、皮膚の回復力を高めます。

まとめ

かゆみは「誰にでもあること」ですが、実際には日常生活や睡眠を大きく妨げる症状です。原因は皮膚だけでなく、体の病気が隠れていることもあります。
豊田市のこはく皮フ科では、土日も診療を行い、外用薬・内服薬・光線療法を組み合わせて、一人ひとりのかゆみに合わせた治療を提案しています。
「かゆみくらい」と我慢せず、ぜひお気軽にご相談ください。長年、かゆみに悩んできた女性院長が、親身に対応いたします。

豊田市【こはく皮フ科】女性院長によるかゆみの解説
目次