肌荒れとアレルギー――それは“心と身体の崩れ目”になることもあるんです
~見過ごされやすい症状の奥にある、本当のリスク~
こんにちは。
こはく皮フ科クリニック院長の松井響子です。
肌荒れや軽度のアレルギー症状を「放っておけばそのうち治るだろう」と思っていませんか?
実は、そうした**“最初のサイン”を見逃すことで、症状が長期化したり、全身に波及する深刻な疾患に発展してしまうケース**が、皮膚科では珍しくありません。
小さな「かゆみ」から始まった、長い闘い
私は幼少期、重度のアトピー性皮膚炎で、皮膚がただれ、いつもどこかがかゆくて眠れない夜を何度も経験しました。
肌が荒れているというだけで「汚い」と言われ、心にまで深い傷を負いました。
その頃の私は、アトピーが“皮膚の病気”ではなく、心をむしばむ病気であることを、身をもって知りました。
そして医師となった今、同じように「たかが肌荒れ」と思っていたら、実は全身型のアレルギー疾患(アトピー、喘息、食物アレルギー、自己免疫疾患)に繋がっていたという患者さんを何人も診てきました。
見過ごされた肌荒れが、どんな疾患を招くか
肌荒れは単なる“美容の悩み”ではなく、免疫異常の入り口であることがあります。具体的には:
- アトピー性皮膚炎の重症化
→ 二次感染(とびひ・黄色ブドウ球菌感染)や、慢性湿疹へ進行 - 喘息やアレルギー性鼻炎への波及
→ アレルギーマーチ(乳児湿疹 → アトピー → 気管支喘息 という流れ) - 自己免疫疾患の兆候
→ 乾癬、膠原病、皮膚筋炎などに見られる皮膚症状を“単なる乾燥”と誤認する例も - 精神的二次障害
→ 学校・職場での対人ストレスや自己否定、睡眠障害、うつ状態につながる例も
対策①:市販薬で誤魔化さない
「とりあえず市販のかゆみ止めを塗っておく」という方がとても多いのですが、これは非常に危険です。
症状の“根”が治っていないまま、表面的に炎症を抑えても、繰り返すだけでなく、症状が見えづらくなり診断が遅れることも。
皮膚科では、
- 適切な強さのステロイド外用薬(必要な期間のみ)
- 非ステロイド剤や保湿薬との組み合わせ
- 原因アレルゲンの特定(血液検査やパッチテスト)
を行い、根本的な対応を行います。
対策②:体全体を診る、心まで診る
皮膚だけを診ていても、本当の原因にはたどりつけません。
ストレス、ホルモンバランス、食事、睡眠環境、親の皮膚病歴、アトピー素因など、全身の“背景”が皮膚に映し出されるのです。
診療では患者さん一人ひとりの生活背景やお話に耳を傾け、必要に応じて他科とも連携して対応しています。
「皮膚科って、肌だけを見るところじゃないんですね」と言っていただくこともよくあります。
最後に:肌が壊れると、心も壊れる
これは、私自身が一番痛感してきたことです。
子どもの頃の私にとって、肌の荒れは単なる皮膚の問題ではなく、「人として見られない」苦しみでした。
だからこそ、肌荒れやアレルギーで悩むすべての方に、声を大にして伝えたいのです。
「それはただの肌荒れではないかもしれない」
「今なら、まだ止められる」
どんな小さなサインでも構いません。
気になることがあれば、早めに皮膚科を受診してください。
あなたの肌と心を守るために、私たちはここにいます。
【こはく皮フ科クリニック】
住所: 愛知県豊田市瑞穂町4丁目1-1
診療科目: 一般皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
WEB予約はこちら▶ [公式サイトURL]