乾燥性皮膚炎――それは「肌の悲鳴」です
~“ただの乾燥”と思っていたら、炎症にまで進んでいた~
こんにちは。
こはく皮フ科クリニック院長の松井響子です。
「最近肌がカサカサしてきたな…」
「ちょっとかゆいけど我慢できるし、保湿しておけば大丈夫かな」
――そんなふうに軽く考えていた乾燥が、ある日突然“炎症”に変わってしまったという方、実は少なくありません。
それが、**乾燥性皮膚炎(乾皮症性湿疹)**です。
私自身も、乾燥の悪化で“地獄のような夜”を過ごしたことがあります
私は子どもの頃、アトピー性皮膚炎がひどく、冬になると皮膚がバリバリに乾いて、粉を吹いていました。
それだけならまだしも、夜中に無意識に掻きむしってしまい、朝起きるとシーツに血がついている――そんな日々を繰り返していました。
あのかゆさは、経験した人でないとわからない。
皮膚が乾くと、まるで“皮膚が割れていくような感覚”になり、少しの衣類のこすれでも痛くて泣きたくなる。
今でも、乾燥肌で受診される患者さんの話を聞くと、あの頃の自分と重なって、他人事には思えません。
乾燥性皮膚炎とは?
皮膚の表面にある「角質層」の水分が失われて、バリア機能が壊れてしまった状態が乾燥性皮膚炎です。
特徴としては:
- 皮膚が粉を吹いたように白っぽくなる
- 細かいひび割れができる
- 軽いかゆみが強くなる
- 掻くことで赤み・湿疹へと進行
- 夜間や入浴後に強いかゆみを感じることも
放っておくと、掻き壊しによる**二次感染(とびひ)**や、慢性的な湿疹化につながってしまいます。
なぜ起こる?乾燥の背景にある“生活の落とし穴”
乾燥肌は、実は日々の生活のなかで知らず知らず悪化させていることがあります。
- 熱いお風呂に長く浸かる
- ナイロンタオルでゴシゴシ洗う
- 洗浄力の強いボディソープを毎日使用
- 暖房やエアコンで室内が乾燥している
- 加齢による皮脂分泌の低下
- アトピー素因がある
とくに高齢の方や、子ども・アトピー体質の方は乾燥しやすいため、“洗いすぎないこと”もスキンケアのひとつなのです。
皮膚科での治療と、正しいケアの仕方
「保湿しているのに治らない」と来院される方も多くいらっしゃいます。
でも、乾燥性皮膚炎がある程度進んでいる場合、保湿剤だけでは足りないことがあります。皮膚科では、
- 保湿剤(ヘパリン類似物質やワセリン)
- 軽度の炎症には弱めのステロイド外用薬
- 非ステロイド性抗炎症薬の使用
- かゆみが強ければ抗ヒスタミン薬の併用
など、状態に応じた適切な処方を行います。
院長からのメッセージ:皮膚が乾くと、心まで乾いてしまうことがある
皮膚のつらさは、「ただの乾燥」では終わらないことがあります。
見た目に自信が持てなくなったり、夜もかゆくて眠れず、日中ぼーっとしてしまったり――それは、生活全体の質を下げてしまうんです。
私も長くそういう時期を過ごしました。だからこそ伝えたいのです。
「乾燥は、早めに対処すれば止められる」
「つらいのはあなただけじゃない。必ず良くなります」
何を塗っても治らない、かゆくて眠れない――そんなときは、どうか皮膚科にご相談ください。
“肌を守ることは、自分自身を守ること”です。
【こはく皮フ科クリニック】
住所: 愛知県豊田市瑞穂町4丁目1-1
診療科目: 一般皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
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